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「巡りあう者たち」~screenⅩ・共闘~

~惑星モトゥブ・ニシクグ砂漠~

空は満点の星、そのひとつの星が降ってきた。

それは金属の塊で、中に人がいた。

砂漠におち、辺りが砂煙に包まれる。

その中から、一人の小柄な男でできた。

ノースリーブの赤いジャケットに、カカトまで伸びる黒のズボンをはいている。

「砂漠!?」

金属の塊・・・脱出ポッドからでてきたクロは驚いた。

「ユイと、ギンも・・・いないな。」

辺りを見回すが、一面何もない砂漠だ。

時折風が強くふき、砂煙を巻き起こす。

ふと、ナノトランサーから剣をだす。

ニューデイズ買った、安物だ。

少しひび割れている。

「初めて人に、凶器を向けたな。」

宇宙船の出来事を思い出す。

それを思い出すと、あの2人が心配になってきた。

「行こう。」

彼が歩きだした。

進むあてもなく。

・・・・・・・・しばらく歩くと、どこからか声が聞こえた。

「君も、ここへ導かれたのか。」

風に乗って、知らない声が聞こえる。

いや、どこかで、つい最近聞いたことがあるような声だ。

しかし、思い出せない。

「え、誰だ!?」

その場で叫ぶ。

すると、また声が聞こえた。

「ここは、常人では来れる場所ではない。」

今度は右手からはっきり聞こえた。

「誰なんだ!?そもそもここへは、偶然来たんだ!!」

「偶然?・・・そんなものはない。全ては運命、必然だ。」

運命?必然?何をいってるんだ?

それに、ここは何か特別な場所なのか?

次々と胸に疑問が浮かぶ。

「会いたい人がいるんだね。」

また、声が聞こえる。

「僕も、君と同じさ。」

すると、右手から人影が現れた。

「あ、あんたは?」

~惑星モトゥブ・非公式、裏スペースポート~

海賊船、エクスカリバーが着陸していた。

「ふ~、着いた着いた。やっぱモトゥブが1番だわ。」

アセルスが伸びをする。

「誰もいないね。やっぱもう夜だからかな。」

フロンがあたりを見回す。

「ま、みんな酒場にいるんでしょ。」

アウクソーが荷造りをして船から出て行く。

「そだね、あたしたちも初仕事の打ち上げに行きますか~。」

ミスティもそれに続く。

「ライス、今日は飲みあかそうね!」

「もっちろん!」

ウタとライスも船から出る。

「・・・・・・・・ん、あれはなんだ?」

アセルスが、スペースポートの端っこにある金属の塊を指差した。

「何あれ?」

ウタとライスも不思議になり、2人は船から下りてそれに近づいて行った。

「ポッドかな?なんであんなものが?」

アセルスが重要物資、鍵を大切にしまい船から出た。

船にロックをかけようとすると、中から突然2人の人間が飛び出してきた。

「うわっ!!何だ!?」

焦るアセルスに、出てきた内の一人が膝蹴りをくらわした。

「ぐ!・・・・この!」

アセルスも殴りかかるが、ヒラリとかわされ、2人の人物は船の左翼に立った。

「こんにちは、アセルスさん。」

長身の金髪の女性が、微笑しながら言った。

「Eh(Eleven hert)か・・・」

アセルスが両手に銃を構える。

「わお!うちらの事知ってる人なんて、珍しいね。」

長身の女性とは対照的に、小柄な女性が笑みを浮かべる。

「ルナ、油断しちゃだめよ。」

「はいよ、ハルル。」

すると、ルナは先端にヤリの刃、後端に振り子のような刃がついたギターを取り出した。

ハルルは、手を目の前にクロスに構えた。

両手に冷気の波紋が広がり、両手を振り下ろすと、

手にはまるで氷の結晶のような、六つの刃があるチャクラムが出てきた。

「ありゃりゃ、1対2かな?」

ルナがギターをくるくる回して笑ってる。

「ふん、一人で十分だよ!」

アセルスは両手の銃を掲げている。

3人が間を取り合う。

「アセルス!中は少女がいたよ!」

ウタとライスが戻ってきた。

ライスの背中には一人の小柄な女性がいる。

「あれ?あんな人いたっけ?」

ウタがハルルとルナを指差す。

「え?いたっけ・・・。」

「Eleven hert だ。」

アセルスが目線を変えずに言う。

「え?なにそれ?」

ウタがきょとんとしてる。

対照的に、ライスは驚いていた。

「それって・・・・、噂だけなら聞いたことある。

鍵を狙う、11人の化け物達と。」

「あくまで噂、詳細を知るものはいない。」

アセルスも、焦りが感じる声をだす。

「化け物とは、ひどい言われようね。」

ルナがため息をつく。

「本当、おしおきをしなくちゃね。」

ハルルとルナが姿勢を低くした。

「お前等!!そいつをつれて逃げろ!!」

アセルスが叫ぶと同時に、ハルルが跳躍した。

「はっ!」

両手のチャクラムを広げると、アセルスの地面に冷気が走った。

それは、瞬く間にアセルスの足を氷付けにした。

「え!?なにあれ!?」

ウタが驚く。

「くそ!!」

アセルスはハルルに向かって発砲するが、チャクラムで弾かれた。

「アセルス!」

ライスが背中の少女を下ろして、銃を両手に構えていた。

「バカ!逃げろって言っただろ!!」

「ウタ!行くよ!!足元に!!」

「はいよ!」

ウタとライスは同時にアセルスの足元に発砲した、

2人の銃弾は、足元に直前で触れ、大きく爆発した。

「 !! 弾丸が爆発した!」

ルナが驚く。

爆炎は、氷を溶かし、吹き飛ばしていた。

「サンキュ!だけど少し熱かったよ!!」

アセルスがすばやく移動しながら叫んだ。

「文句いうなって。」

「なるほど、ガス弾と炎弾で爆発をおこしたのね。」

ハルルがライスとウタの銃を見る。

「ヒュウ、正解。」

ライスが笑みを浮かべる。

「でも、あなた達自身が凍ったら意味ないわね。」

ハルルが微笑を浮かべ、チャクラムを構えた。

「ハルル!」

ルナがハルルの背後をガードした。

見ると、アセルスがハルルに向かって発砲していた。

「あ、ごめんなさい。」

「まったく、油断しないでって言ったんだから。

ハルル、行くよ!!」

「了解。」

ハルルが両手をクロスに構えた。

てにもつ鍵に力を込めて。

そして、小さく呟く。

「アイス・タワー」

アセルスたちの床から、とがった氷の柱が次々出てきた。

それは、逃げるアセルスたちえお追う様に床から生えてくる。

「ちょ、なにこれ!!」

「これが、鍵の力ね。」

ウタとライスも逃げる、攻撃どころではなくなった。

「それ!」

上空からルナが刃がついたギターで斬撃をくりだした。

不意を突かれたライスは、かわしきれず、その場で転んでしまった。

「ライス!危ない!!」

氷の柱が立つ。

ライスは地面を転がってかわし、何とか立ち上がった。

「くそ・・。」

ライスの額からは血が流れていた。

「使うしかないか・・・。」

アセルスが、鍵をとりだした。

黄色に薄く輝いている。

「いけ!」

アセルスがハルルに向かって鍵を突きつけ、力を込めた!

が、何も起こらなかった。

「え?なんで?」

アセルスが何度も試すが、何も起こらない。

「鍵を使えるものは、限られた人のみ。」

ハルルがチャクラムを掲げて言う。

「そして、それは持ち主によって姿形が変形するのよ。」

「まさか、そのチャクラムが!」

「ええ、綺麗な氷の結晶のようでしょ?」

ハルルが笑みを浮かべる。

「くそ・・・。」

アセルスは下唇を噛み、鍵を地面に叩き付けた。

鍵はそのまま転がっていき、

先ほどの少女の元で止まった。

そこで、鍵は小さく輝いた。

「ハルル!そろそろ行くよ!」

ルナがギターを構えた。

「ええ、お願い。」

すると、ルナがギターを弾き始めた。

アップテンポな音楽だ。

「踊り狂え!氷たちよ!!」

ルナが叫ぶと、ハルルが作り出した氷の柱が、

たちまち人型になり、アセルスたちを襲った。

それも、軽く100体以上はいた。

「なんだこいつら!?」

アセルスが銃で応戦するが、氷の人形たちは華麗に身を躍らせ、銃弾を交わしていく。

瞬く間にアセルスは氷の人形達の下敷きになってしまった。

「アセルス!」

「ライス!行くよ!!」

ウタとライスは、爆発弾を浴びせる。

しかし、1回で倒せる数はせいぜい2,3。

追いつかない・・・。

「だめだ!!」

2人は逃げたが、あっという間に囲まれてしまった。

氷の人形達は冷気を生み出し、辺りを寒くしていた。

そして、じりじりとその輪を狭めて行った。

「ふふふ、終りね。」

ハルルが微笑する。

2人の足元にいた少女は、そこで目をさました。

「あ~良く寝た~。

うう、なんか寒いよう・・・。

え!?なにこれ!!」

ユイは周りを囲む氷の人形達に驚いた。

そして、自分のすぐ傍に背中合わせで立っている2人に女性を見た。

「それに、あなたたちは!?」

「なんてタイミングで起きるのよ・・・。」

「まったくだよ・・・。」

ウタとライスは、周りにいる氷の人形達で頭がいっぱいだった。

「あれ?この綺麗なブローチは?

いや、ブローチにしてはでかいな・・・・。」

ユイが近くに落ちてた鍵を拾う。

「あ、それは・・。」

「すべすべして気持いい~。

ん?ん?あれ?」

ユイが鍵をいじくりまわしてると、急に鍵はその輝きを強くした。

「うわ~・・・綺麗・・・。」

ユイはそれに見惚れていた。

「ハルル!もしかして!?」

ルナが驚く。

「・・・・・・。」

ハルルも息を呑んだ。

「お、おい!え~と・・・。」

「ユイです!」

「ユイ!そいつをまわりの化け物達に向かって突きつけろ!

倒すという、硬い意思を持ってだ!!」

ライスが叫ぶ。

「え?このよくできた彫像危ないんですか?」

ユイが、もう数歩まで迫った氷の人形を指差す。

「うん!殺されるよ!早く!!」

ウタが叫ぶ。

「ええ!?いやぁぁぁぁーーー!!!」

ユイが鍵を握ったまま、奇声を上げた。

すると、鍵から小さな黄色の球体が飛び出した。

それは、3人の上空で止まると、そこから強烈な雷を四方八方へ放った。

その雷は地面に突き刺さり、波紋を広げていった。

氷の人形達は、数多の雷の前に次々と貫かれていった。

「あ、あれは鍵!?」

「それに、使ってる・・・。」

ハルルとルナが驚きを隠せずにいた。

雷が止むと、あたりは氷の破片の山となっていた。

「い、今のは?」

ユイ本人が一番驚いているようだ

ウタとライスは言葉を失っていた。

「まさか、あんな普通の人間が・・・。」

ルナがまだ驚いている。

「ええ、それに・・・。」

ハルルがユイを見る。

「まさか、あなたにまた会うとはね。」

「あ!あなたは!!」

ハルルが床に膝ついて、手を床に当てた。

すると、床から氷の花がはえ、つぼみのようなものでハルルたちを包んでいった。

「また会いましょう、ユイ。」

つぼみが完全にハルル達を包んだ。

「ハルルさん!?待って!!」

ユイが叫ぶ。

つぼみは、割れた。

当然、ハルルたちはいなかった。

「・・・・・・・・・・ハルルさん?」

ユイがまだ呆然としている。

「知ってるの?」

「うん、あの人に一度助けてもらったの。

ねえ、ハルルさんは、あなたたちを襲ってたの?」

「ええ、いきなりだった。」

ウタが答える。

「何でだろう・・・。」

「それのせいさ。」

見ると、ライスに支えられて、アセルスがこっちに向かっていた。

「アセルス!」

「あなたは?」

「あたしはアセルス、そいつはライス、それにウタ。」

ライスとウタはそれぞれ微笑する。

「それってこのでかいブローチですか?」

ユイが鍵を見る。

「そう、奴等はそれを狙ってたんだ。」

「だけど、行っちゃいましたね。」

「それは、多分あんたが鍵を使ってしまったからだろう。

あたしらが使えないだろうと、あいつらは読んでたんだね。」

アセルスがユイを見る。

「しかし、あんたが現れた。

あんたが鍵を使えたから、奴等は帰っていった。

これは確かだ。」

「う~ん、よく分かりません・・。」

「はは、あたしも同じさ。」

アセルスが笑って答えるが、身体はかなりきているようだ。

「あんたを酒場に招待するよ!え~と・・・。」

「ユイです!」

~惑星パルム・草原~

「ニャンコさん、こんな所に珍獣なんているんですか?」

「ええ!これはスクープですよ!

チョチョさん!しっかりレポーターっぽくなってくださいね!」

ニャンコと呼ばれた色黒の女性は大きいカメラを構えている。

「ここって原生生物も多いんでしょ?

大丈夫かな?」

チョチョと呼ばれた赤髪の可憐な少女は、少し不安げだ。

「何いってるの!このカメラはレーザーでもあるのよ!」

ニャンコは張り切っている。

「おお~。すっごいですね!

・・・あれ?何か落ちてきますよ?」

チョチョが空を指差す。

そこから、金属の塊が降ってきていた。

「こ、これは大スクープだ!

パルムの草原に謎の隕石落下!!

うん、トップ記事決定!!」

ニャンコが走り出した。

「ああ!待ってくださ~い!!」

チョチョも慌てて後を追って行った。

その飛行物体に、人が入ってるとも知らず。

~惑星パルム・レリクス~

一人の長身で、短髪の女性が戦っていた。

両方の柄に長く、細い刃がついた武器で次々と敵をなぎ倒していった。

「ここの調査も1週間が経過したね・・。

まったく、鍵なんてないじゃないか!!」

女性は転がっている原生生物の死骸を蹴飛ばした。

すると、通信機に連絡が入った。

「だれ!?」

「ずいぶん機嫌が悪いようね。」

ため息交じりの、聞き慣れた声が聞こえる。

「エフェか、どうしたの?」

「聞くまでもないでしょう?」

「ああ、まったく駄目だよ。ここにはないんじゃない?」

「そう。」

「それだけ?」

「ええ。」

そこで、オルガは通信を切った。

「まったく、掴めない奴。

今日で終るし、久しぶりにお買い物でもしたいな~。」

すると、近くから足音が聞こえた。

「はっ!」

反射的に振り向くが、誰もいなかった。

「また雑魚かな?」

少し気になったが、

さっさと任務を終えたかったので、彼女は先を急いだ。

「あと1ブロック。あそこが最後ね。」

オルガは、自分に近づく黒い影に気がついてなかった。

「ククク・・・・。」

影は、再び気配を消した。

       =NEXT=

「巡りあう者たち」~screenⅩⅠ・影~

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