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「巡りあう者たち」~screenⅨ・脱出~

~宇宙船・キャリバー・船内倉庫~

銃口を突きつけられ、ギンは息を呑んでいた。

「あ、あんたは一体?」

対峙する相手に静かに言う。

「・・・・・・・・・・・、ラピス。」

青髪の黒いキャストは、最後に小さく呟いた。

聞き取れないほど、小さな音量だった。

「え?」

ギンが聞き返そうとすると、

ラピスは、銃口を強く頭に押し付けてきた。

「鍵をこちらに渡せ、そうすれば、そのまま逃がしてやる。」

鋭い目つきで、脅迫する。

この倉庫内では、まだ海賊と護衛兵の戦闘が続いている。

銃声が轟き、人の悲鳴が木霊する。

今度は、自分の番なのか?

ギンは恐怖にかられた。

「さぁ、早く。手間をかけさせるな。」

せかすラピス。

ギンの手は、自然と鍵がしまってあるポケットへと伸びていた。

「ギン!?」

隣でクロとユイが、それぞれ固まっている。

「これは、一体なんなんだ?何に使う気だ?」

ギンは鍵を出して言った。

「・・・・・・、黙って渡せ。」

ラピスの手が鍵へのびた時、

クロが剣をだして、奇声をあげてラピスに飛び掛った。

「な!!!!何を!?」

ラピスはとっさに両手に持つ銃でガードした。

銃には、グリップ部分に小さな刃がついている。

「ギン!」

クロが言うか言わないかのタイミングで、

ギンが風弾をラピスの懐に当てた。

「ぐっ!!!・・・・・・・っつ。」

ラピスは数メートル飛ばされたが、

足はしっかり床を踏みしめていた。

「行こう!」

ユイが叫び、3人は走りだした。

「餓鬼め・・・。」

ラピスが銃を構え、休む間もなく発砲した。

「この!!」

ギンが風のバリアをだし、銃弾をはじいた。

弾かれた何発もの弾丸はあたりに飛び散った。

数発しのいだところで、風は消えてしまった。

「あ、あれ?」

ギンがまた手に力を入れるが、風がでてこない・・・。

「まだその鍵を使うには、お前には無理だ。

宝の持ち腐れだな。」

ラピスが銃弾を補充し、また攻撃をしかけてきた。

さっきよりも、数段激しい連射だ。

「隠れろ!」

3人は別々に近くのコンテナに隠れた。

外れた弾が、また四方八方へ飛んでいく。

「逃がすもんか、隠れても無駄だ。」

銃を掲げ、ゆっくり近づいてくる。

「く・・・・、お前等一体何人いるんだ!?」

スペードが肩で息をしている。

仲間は既に全員やられ、

残っているのは彼一人だ。

時折、ラピスの銃弾が周りを飛び交う。

「あきらめな、あんたはここで死ぬんだ。

今まで長い事張り合ってきたが・・・。

今日で終わりだ!!!!!」

アセルスが腕を高く掲げる。

後ろにいる数人の部下が銃を構えた。

「・・・・くそ!こんなところで・・・・・。」

スペードも銃を構えるが、

心なしか、腰が引けてる。

「ん?・・・・うわっ!!!!!」

アセルスの頬を、ラピスの銃弾がかすった。

そして、そのまま銃弾は近くのコンテナに当たると、

そのまま積み上げられていたコンテナは、音をたてて崩れた。

「うわっ!!」

スペードと、アセルス達を挟むように、コンテナは崩れだした。

そして、バリケードのように壁になった。

「・・・・・・・、今しかないな。」

スペードはナノトランサーから大型のバルカン砲を出し、肩に担いだ。

「撃てても10秒かな・・・。」

スペードは靴の底から金属のストッパーをだして、床に刺した。

そのまま片膝だけつき、標準を合わせた。

「くそ!このままじゃ逃げれちまう!!!」

アセルスが悪態をつく。

「誰が逃げるかよ・・・。」

コンテナの山の向こうから、小さい声が聞こえた。

しかし、その声には締まりがあり、

覚悟があった。

「アサルトバルカン、これが最初で最後だな。」

スペードが引き金を引いた。

「ん?」

アセルスは、一瞬コンテナが光ったのを見た。

すると、コンテナの山は一瞬にして吹き飛び、

瓦礫の山から数え切れない程の銃弾が襲ってきた。

まるで、ダムが破壊され、そこから水が溢れ出すかの様に。

着弾音が留め止め無くあたりに響きわたる。

爆音、そして悲鳴。

倉庫内は、一瞬にして爆炎が広がり、煙がかかった。

壁は一面防弾仕様だが、その壁にたくさんの弾丸がめり込んでいた。

「やっぱり、すごい反動だな・・・・・・・・。」

スペードはバルカンを床に落とし、そのまま仰向けに倒れていた。

担いでいた肩は、動かない。

「脱臼・・・・、いや、もう動かないな・・・。」

彼は右肩をさわり、そのまま目を閉じた。

「アセルス・・・。」

煙がはれれると、そこにはたくさんの海賊が倒れていた。

あの弾丸の津波を避けるのは、不可能だった。

しかし、アセルスは生きていた。

シールドを張っており、それを静かにといた。

「SUVシールドをこんな所で使うとはな・・・。」

倒れているスペードを見る。

彼は動かない、しかし、生きてはいるようだ。

「今回は、お前の勝ちだな。」

周りの部下を見て、呟いた。

こちらは、もう生きていない。

「もう、決着はつけられないかもしれないが・・・。」

そう言い残し、自らの船へと戻って行った。

~宇宙戦キャリバー・格納庫~

爆炎のなかで、ギン、ユイ、クロは格納庫へ逃げていた。

そこには、小型の宇宙船、ポッドが収納されていた。

彼等は、無数に枝別れする細いハシゴの上を走っていた。

「なんだ、ここ?」

ギンが息を切らしながら言う。

「小型の宇宙船があるな・・。」

クロがあとに続く。

「あ!さっきの人!」

ユイが後ろを見て叫ぶと、

ラピスが音もなく接近してきていた。

「くそ!追いつかれる!」

3人はハシゴから飛び降り、小型の宇宙船の上に立った。

「これに乗れれば・・・!!」

「逃がすか!」

ラピスがすかさず発砲する。

3人は宇宙船から飛び降りて避けた。

銃弾が小型宇宙船の宇宙船のコクピットを貫いた。

それに続き、ラピスも標準をあわせる。

「ここじゃ格好の餌食よ!!」

ユイが叫ぶ。

「く・・・!あのトビラに入ろう!」

クロが指さした先は、トビラが3つあった。

「え?どれに?」

ギンが聞くと、右腕に銃弾がかすった。

考えてる暇は、無い。

彼等は意を決して飛び込んだが、

3人が入った扉は別々だった。

中は、人一人分ほどの小さな部屋だった。

トビラを急いで閉めると、急に周りの壁が震え出した。

「な、なんだこれ!?」

トビラが二重に締まると、その部屋ごと下へ落ちて行った。

そして、そのまま宇宙空間に出た。

「脱出ポッドか・・・・・・。」

ラピスが呟き、トビラを開けると。

そこには何もなかった。

~海賊船・エクスカリバー船内~

ライスとウタが、小さな箱を持って戻ってきていた。

「これが、例の重要物資?」

ウタがあけると、中から手の平ぐらいの大きさの円盤が出てきた。

「ん?なんじゃこりゃ?」

ライスが持つと、それは小さく黄色に輝いた。

薄い黄色で、宝石のように透きとおっている。

「う~ん、なんだろうね?」

ウタも首をかしげる。

「キャプテンも戻ってきたわ!」

近くでミスティが叫んだ。

「よし!モトゥブに帰るよ!」

アウクソーが、船のエネルギーを全開にする。

「宇宙警察も来てる、急ごう。」

フロンがレーダーを見ている。

そして、船は客船から離れそのまま宇宙空間へと消えた。

招かれざる客を乗せたまま。

       =NEXT=

     

「巡りあう者たち」~screenⅩ・共闘~

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