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「巡りあう者たち」~screenⅧ・防衛戦~

~惑星ニューデイズ・スペースポート3番ドッグ

              宇宙船キャリバー・船内~

ここ最近グラールで著しく発達した技術。

宇宙船は、その技術の結晶かもしれない。

人が長年夢を描いてきた宇宙を、自由に飛び回る。

惑星を越えて、人が交流できる。

人々の世界は広がり、繋がっていった。

そして、それはお互いの文化が衝突する時でもあった。

その事については、今でも語り継がれている。

VIP席で1人の女性がペンを手に持ち、

何かを書いていた。

「うぅ・・・間に合わない!!」

サングラスをかけた女性がイライラしている。

「クオレ様。サングラスをかけていてはやりにくいのでは?」

横に立っている全身黒ずくめの女性が静かに言う。

「あ~だめだ~・・・。締め切りは明日なのに・・・。

ちょちょ!あんたは黙ってて!」

クオレが頭を抱える。

「ご無礼、すいませんでした。」

ちょちょと呼ばれた女性が、静かに頭を下げる。

「う~ん・・やっぱ今はこう・・・ああしたほうがいいのかぁ・・。」

クオレが紙に色々書きながらブツブツ呟いてる。

「あ!用紙が入ったトランクはどこ?」

クオレが周りをキョロキョロしながら言う。

「はい、おそらく機内の倉庫にあるかと。」

「あ~持ってくるの忘れちゃったよ。ちょちょ、ちょっと取ってきて。」

クオレが素っ気なく言う。

「かしこまりました。では、係りの者に問い合わせてきます。」

ちょちょが黒のコートを翻して、すばやくその場を去った。

「頼んだよ~。

 あ!そうだ!ここでここを!!!」

クオレの目が輝きを取り戻している頃、

一般席で1人の小柄な女性が退屈そうに椅子に座っていた。

「はぁ、探知ゴーグル金属探知機に引っかかって結局持ってこれなかったな~。

 これじゃぁ、ターゲットがきても分からないじゃない。」

辺りを見回す。

その時、金髪の女性がスッと横を通った。

その姿を見て、驚いた。

え?ハルル?

そう思ったが、係りの人らしい制服を着ていたので、

やっぱり違うか、と彼女は思った。

顔が良く見えなかったが。

「後ろ姿、そっくりだな・・・。」

彼女は去っていく女性をじっと見ていた。

そして、出発のアナウンスが流れる。

機内の人達がみなシートベルトをつける。

「うぅ・・・空飛ぶ乗り物はにがてなのに・・。」

彼女は膝の上の手をきゅっと握った。

そして、宇宙船は出発した。

地上から飛び立ち、雲をつき抜け、瞬く間に宇宙空間に出た。

彼女は、ものすごいスピードだ、と感服する。

宇宙船は、亜空間に入り目的地へ高速ワープする。

亜空間に入るときはかなり揺れたが、

入るとすっかり揺れは収まった。

アナウンスで、機長の挨拶が流れる。

パルムまでは30分で着くと言う。

「ふぅ、早く着いてよね。」

彼女は小さくため息をついた。

「・・・・・・・揺れ止まったな。」

機内の倉庫。その中にたくさんあるコンテナの中に3人はいた。

「ギン!!お前俺を何回踏んだと思ってる!」

クロは相変わらずギンに潰されている。

「ん?19回かな?」

「このやろう、数えてたのかよ!!」

クロが怒る。

「ちょっと息苦しくなってきたね。」

ユイは上で男2人を下敷きにしている。

「ここ狭いからな~。よし、じゃ開けよっか。」

ギンがコンテナの鍵を解く。

「うんしょっと。」

ユイがコンテナの蓋を開けると、あたりは真っ暗だった。

涼しい風がどこからか流れてくる・・・。

「うあ!真っ黒だな!!」

声が反響して、あたりに響く。

3人がコンテナから出ると、

そこにはたくさんのコンテナが山積みにされていた。

まるで、サイコロタワーが密集してるようだ。

「うわ~いっぱいあるね~。」

ユイが感服する。

3人は順番に出て、隣にあったコンテナの上に立った。

「ふぅ、一番上にいてよかったな。

    じゃなかったら蓋開かなかったよ。」

ギンが苦笑いする。

「う・・・考えるとゾっとするね・・。」

ユイが両手で体を抱く。

「う~ん、これからどうする?ここから出る?」

「どうせ席空いてないでしょ。」

「そういう問題じゃないと思うけど・・。」

3人があれこれ考えていると、

急に辺りが明るくなった。

「 !? 誰か来た!?」

クロが途端にコンテナの上に伏せた。

「ん?丁度良いじゃん。中入ろうよ。」

「バカ!!見つかったら捕まるでしょ!!」

ユイが強引にギンを伏せさせる。

「あぅ!!」

静かな足音が聞こえる。

そして、コンピューターの決定音のような音・・

「お名前は、クオレ様ですね?」

係りの女性が丁寧な口調で言う。

「そうです。荷物がどうしても必要との事で。」

「かしこまりました。少々お待ちを・・・。」

女性が、壁についているコンピューターパネルをいじっていると、

ギン達の足場が動き出した。

「ひゃあ!」

ユイは思わず悲鳴をあげる。

「しーーーーーーー!」

クロが慌てて手を口にあてる。

「 !! 」

ユイが両手で口を覆った。

「今・・・何か聞こえなかった?」

ちょちょが静かに問う。

「と、申しますと?」

「何か・・・少女の悲鳴のような・・。」

「お客さま、ここに人はいませんよ。」

係りの女性がクスクス笑っている。

「そうですか・・・。」

しかし、ちょちょの心は半信半疑だった。

誰かいる・・・。

確信に近いものだった。

しかし、誰がいようと関係まい。

そう、ちょちょは思って荷物を受け取った。

「ありがとうございます。」

「それでは、戻りましょう。」

すると、突然機内が激しく揺れ出した。

「な!これは!?」

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!」

ちょちょと女性は驚き、戸惑う。

もちろん、ギン達も。

「うわあああああああ!!何!?何?!」

「おい!ギン静かに・・・・ぎゃーーー!!」

「いやぁぁぁっぁ!!!!」

3人はコンテナから落ちて、転がっていた。

もちろん、客席も大パニックになっていた。

「きゃああああああああ!!何々!?」

先ほどの女性は驚き、困惑している。

他の乗客も悲鳴をあげている。

その頃、宇宙船の上には海賊船が密着していた。

~海賊船・エクスカリバー船内~

「よし!接着完了しました!!いつでも潜入できます!!」

赤髪の白キャスト、操縦士のアウクソーが船内にアナウンスする。

アセルス「よっしゃ!行くよ!!」

船長の黒キャスト、アセルスが両手のリボルバーを構え、

出口へと向かった。

「うた!!あたし達も行くよ!!」

「もち♪」

ライスとうたも出口へ向かう。

どうやら、出口は倉庫へ直接つなっがているらしく、

その倉庫になにやら重要な物資が積まれているらしい。

言うまでもなく、今回の標的はそれだ。

アセルス、ライス、うたを筆頭に、その他10数人で乗りこんだ。

ミスティとアウクソーは、船内で逃走の準備。

そして万が一、宇宙船同士の打ち合いになる時の準備をしていた。

全員が船内を慌しく動くなか、一人の青髪の黒キャストが、

下っ端たちにまぎれて客船へと侵入していた。

~宇宙船・キャリバー・倉庫~

アセルス達が倉庫に降り立つと、何人かの護衛兵士がいた。

長銃を構え、威嚇してくる。

「動くな!海賊ども!!」

隊長らしき長身のビーストが猛々しく吠える。

「ふ、またあんたか、スペード。」

アセルスの口元が歪んだ。

「アセルス・・・!!いつまでも逃げきれると思うな!!」

そう言うなり何発か発砲すると、

弾丸はアセルスの頬をかすかにかすった。

そして、後ろのコンテナにあたり、はじけた。

「ならこっちも、殺す気でいくよ!!!」

アセルスが両手のリボルバーくるくる回して、上に構えた。

「来い!」

スペードは真っ直ぐ銃構える。    

「うわぁ・・・すごい事になってるよ・・。」

ギン、ユイ、クロは端のコンテナの陰で様子を見ていた。

「どうする?こっから出たら一瞬で流れ弾にあたるよ・・。」

倉庫の中はたくさんの銃弾が飛び交っていた。

「ここで、ほとぼりが冷めるのを待つか。」

そう3人は決めて、じっとしていた。

「戦況は、海賊側が優勢のようね。」

先ほどちょちょと共にいた係りの女性が、

ギン達とはまた違った場所に身を潜めている。

ちょちょはすでに非難しており、恐らく安全だ。

すると、彼女は腕にはめているブレスレット型の通信機に向かって言う。

「ルナさん、聞こえますか?こちら、ハルル。」

客席のルナは、腕にはめているブレスレットから発せられる声に気付いた。

「ハルル!?やっぱりさっきのはハルルだったんだ!?」

ルナは驚いて大声で叫ぶ。

「ルナさん、静かに。今倉庫にいるんですが、海賊が来ました。」

「え!?さっきの揺れはそのせいだったの!?」

「ええ、そして、この倉庫に鍵の反応があるわ。」

「え、なんだって!?ハルル、探知機持ってるの?!」  

「私は、係りの者ですからね。」

「さっすが~。うん、あたしもすぐ行く!!」

「待ってますよ、では。」

通信が終わり、戦況を見ると。

護衛兵士はすでにスペードだけになっていた・・・。

同じ頃、ギン達も危機にさらされていた。

「あなたが、風の鍵を持つものね・・・。」

「あ、あんたは・・・?」

ギンに銃口向ける青髪のキャストは、海賊でも、護衛兵でもなかった・・・。

       ~NEXT~

「巡りあう者たち」~screenⅨ・脱出~

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