大いなる 螺旋と咆哮の中で 僕は舞う(Act2
LNIKS:十人の中に刻まれる物語・・・・・・
前回までのあらすじ・・・・・
イースレイはパルム浄化のミッションを受け、
この度ミッションを共にすることなったジローと共に野営前線へ向かっていた。
彼等は目的地の近くまでシャトルで行き、
そこから徒歩で歩いていた。
「ひどいな・・・これは・・・。」
イースレイは思わず口にした。
以前、彼がパルムに来た時は、
どこまでも続く緑の大地。
蒼く、透き通る様な青空。
たくさんの自然が雄大に広がっていた。
しかし、今イースが見ているのは違う。
大地はひび割れ、
空は灼熱の炎の様に紅に染まっている。
自然は朽ち果て、枯れ果てていた。
「一週間前からもうここは炎の侵食をモロに食らっている。
何人ものガーディアンズが浄化にあたっているが、
侵食は一行に止まらない。
それにしても、聞いてた以上だ。」
ジローも、この変わり果てた風景に驚きを隠せずにいた。
続けて、言う。
「今回のミッションは、この炎侵食と同時に異常発生している原生生物の鎮圧。
ならびにこの侵食の根本を探ることだ。」
「ああ、調書には一通り目を通したから、分かっている。」
「よし。指定された野営前線までは・・・あと20分ってとこだな。」
ジローが腕時計を見て時間を確かめる。
今どき、腕時計なんて珍しいな、とイースは思った。
なにか・・・思い入れでもあるのだろうか?
イースがそんな事を考えていると、
ふと、どこか遠くから女性の悲鳴が聞こえた。
それも、どこか・・・聞き覚えのある声だった。
「・・・・・・・・エフェ?」
イースは立ち止まり、声が聞こえた方にポツリと、呟く。
「ん?どうした?」
ジローも立ち止まる。
そんな馬鹿な。
心の中で可能性を否定するイースだが、
彼の体は勝手に動いていた。
声が聞こえた方向に。
「おい待て!そっちは違う!!戻れ!!」
ジローは怒鳴り、慌てて後を追う。
違う悲鳴が、木霊した。
[惑星パルム・海底プラント]
炎の侵食は、全惑星が煽りを受けている。
どれも、すさまじい勢いで、止まるところを知らない。
ここは、既に誰もいない、何もないはずの場所。
「ここが・・・例の場所ね。」
黒のキャストは手の調書を確認している。
「急ぎましょう、ラピスさん。」
隣には、白のキャスト。
静かに、だがハッキリとした声で言う。
「ええ、長月さん。
ガーディアンズには任せておけません。」
ラピスは真剣な表情で言い、長月と共に走り出した。
[惑星パルム・草原]
「はぁ・・・はぁ・・・。」
ギンは陣地は飛び出し、ヴァーラのリーダー格を探し、勝負していた。
彼の体には無数の大小の切り傷があり、
最早、満身創痍であった。
ギンの目の前には倒れている巨大なヴァーラがいる。
大きさでは、彼を軽く凌いでいる。
しかし、今は頭を下げ、地に這いつくばってうめくのみだ。
そして、ギンとヴァーラの周りには、大量のヴァーラの手下が
輪を作って囲んでいた。
まるで、娯楽を見ているかの様に。
ギンの手には、血で汚れた剣。
同じく、ヴァーラの鉤爪も血塗られている。
これで、手下どもが引き下がってくれればいいんだが。
ギンはそれを願っていた。
連戦につぐ連戦で、彼は戦える状態ではない。
すると、目の前のヴァーラがいきなり大きく咆哮した。
それは相手を威嚇するかのように、ギンの耳に突き刺さる。
そして、ヴァーラはギンに決死の勢いで突進してきた。
爪を突きたて、真っ赤に燃える目をして。
「負けるか!」
ギンは剣で防御し、弾き返した。
そして、怯むヴァーラに最後の一撃を食らわした。
「かった・・・・のか?」
確かに、目の前のヴァーラには勝った。
しかし、手下のヴァーラはまだ腐る程いる。
だが、ギンが周りを見回すと、そこには何もなかった。
手下達は、どこかへ行ってくれたようだ。
「はぁ、良かった。」
思わずその場に座り込む。
しかし、なぜ急にいなくなったんだろう?
さっきの咆哮のせいか?
考えていると、背後から足音が聞こえた。
「誰だ!?」
彼は立ち上がり、振り向いた。
[惑星パルム・野営前線]
イースレイが無我夢中で走り、たどり着いた場所は惨劇と化していた。
そこら中に倒れている人・・・。
生気が感じられない。恐らく、死んでいるのだろう。
この状況に、イースレイとジローはただ唖然としていた。
「ここは、確か別の野営前線のはずだが・・・。」
「壊滅してるな・・・。」
ジローは倒れている人達の脈を確かめているが、だめみたいだ。
イースは、さっきの声が気になっていた。
ふと、近くの草陰から物音が聞こえた。
「誰かいるぞ!」
イースは焦ってその草陰へと行くと、
1人の女性が、そこで倒れていた。
どうやらガーディアンズらしい、胸にマークがある服を着ている。
「大丈夫か!?」
イースが言うと、彼女は目を覚ました。
「う・・・あなたは?」
声を聞いて、イースはハっとした。
さっきの声だった。
しかし、声の主は彼の予想とは違かった。
「僕は、ガーディアンズの援軍で来ました。
イースレイだ。」
「同じく、ジロー。」
2人が挨拶をすると、急に女性は立ち上がり、草陰から出た。
「みんな・・・・。」
彼女はその場を見て、崩れ落ちてしまった。
「うちのせいだ・・・うちが、1人で吹っ飛ばされて・・・
みんなを、守ってあげられなくて・・・。」
彼女は、膝立ちのまま両手で顔を覆った。
「あんたが気に病む事じゃないさ・・・。」
ジローはそう言って、優しく背中を叩いた。
イースが見た彼の目も、深い悲しみの色が見える。
まるで、何かを重ねるかの様に、その女性を見ている気がした。
「・・・・・・・・・ギンは?」
彼女が小さく呟いたとき、ジローが突如叫んだ。
「 !! 何か来る!?」
すると、遠くから大勢のヴァーラが猛スピードでこちらにやって来ていた。
それも、前後左右から。
「まずい!囲まれる!!」
イースは叫び、周りを見回すが、
逃げ道が、どこにもない。
「く!戦うしかないのか!!」
ジローは巨大な剣を取り出す。
フォトンが片方にしかなく、太刀筋に表と裏があるようだ。
イースも杖を出す。
気付くと、既に回りはたくさんのヴァーラで埋め尽くされていた。
鼓膜が破れるかと思うほどのうめき声。
鉤爪がカチャカチャと鳴る。
イースとジローは背中合わせに立っていた。
イースが問う。
「この数・・・大丈夫か?」
「なんだ?ビビってるなら草陰で隠れてな。」
「おいおい。手柄を独り占めさせるかよ!」
「よし、じゃあどっちが多く倒せるか勝負だな・・・。」
「ああ・・・。」
不敵に笑う二人。
「うちも、戦う!」
先の女性が立ち上がっていた。
手には小ぶりの剣がしっかりと握られている。
眼光は鋭く、一点を見据えている。
「お?ライバルが増えたぞ?」
「へへ、上等。」
3人は声と共に跳躍した。
「行くぞ!!!」
物語は螺旋を帯び、続いていく・・・・・・。
to be continued...
next.............. まった~り♪日記
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